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法人化の検討

個人事業として開業し、事業が順調に拡大して利益が増えてくると、それに比例して税負担も大きくなってきます。個人に課される所得税は超過累進課税といって、所得が多くなるほど税率が高くなるからです。

【所得税速算表】

(1)所得金額(2)税率(3)控除額
195 万円以下5 %0 円
195 万円超330 万円以下10 %97,500 円
330 万円超695 万円以下20 %427,500 円
695 万円超900 万円以下23 %636,000 円
900 万円超1,800 万円以下33 %1,536,000 円
1,800 万円超40 %2,796,000 円

税額 =(1)×(2)-(3)
所得が500 万円の場合、500 万円 × 20 % -427,500 円 = 572,500 円
※さらに、上記金額×2.1%の復興特別所得税が加算されます。

所得税以外に住民税が10 %、事業税が3 ~5 %かかりますので、単純合算で最高約55 %の税率となります。

これに対して、資本金1 億円以下の会社に課税される法人税等の税率は、

法人税所得 800 万円以下の部分 15 %
800 万円超の部分 25.5%
法人住民税法人税額の17.3 %
(所得の 2.6 %~4.4 %程度)
法人事業税
地方法人特別税
所得      400 万円以下の部分 5.0 %
400 万円超~800 万円以下の部分 7.3 %
800 万円超の部分 9.6 %

です。最高税率は約40 %と、個人で所得900 万円超~1,800 万円以下の場合の合算税率約48 %を下回る水準です。そうです、利益が出れば出るほど会社の方が税金が安く済むのです。

1,000 万円近くも利益がないとダメなのか・・・それは違います!上の比較は単純な税率の比較です。法人化のメリットは、事業主が会社から給料をもらい給与所得者となることで、事業主にはなかった「給与所得控除」が受けられるところにあります。 事業利益が500 万円の場合でどの程度の効果になるか見てみましょう(所得から引かれる各種控除はすべて0 円として計算してます)。

個人事業法人化
会社事業主
事業利益500 万円500 万円
給料△500 万円500 万円
青色申告特別控除
給与所得控除
△65 万円△154 万円
所得435 万円0 円346 万円
所得税、法人税442,500 円0 円264,500 円
住民税435,000 円70,000 円346,000 円
事業税105,000 円0 円
合計982,500 円680,500 円

上記の計算結果は、単純比較するためかなり「乱暴」に計算していますが、給与所得控除が有利であることは間違いありません。(注:法人化しても給与所得控除が事実上使えない場合もあります!)
節税の効果は、所得金額はもちろん事業主の家族構成、専従者の有無などそれぞれのケースにより異なります。 さらに税金だけではなく、社会保険料も含めて検討することが必要です。上記のケースも社会保険料まで考慮すると法人化の方が逆に負担が大きくなることもあります。

税金面でのメリットはこればかりではありません。資本金1,000 万円未満の会社を設立すれば、設立後2 事業年度は消費税がかからない。というのも大きなメリットですし、法人の方がいろいろと節税策を立てやすいというのも確かです。

ただし、法人化の検討は、単に節税面からだけではなく、

  • 対外的な信用が増す。
  • イメージアップになる。
  • ビジネスチャンスが広がり、事業の拡大が期待できる。
  • 優秀な人材を集めやすくなる。
  • 事業を継続的に発展させ、次の世代につなげていきたい。

など、会社が本来持っているアドバンテージが必要なのかどうかという観点からも十分に検討すべきでしょう。節税のみを目的とした法人化は、見落としがあったり状況が変わったりして思った以上の効果がなく、何のために会社にしたのかということにもなりかねません。 法人化を検討されている方は、一度専門家に相談されることをお勧めします。ぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。

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