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個人事業 vs.会社設立
起業する場合まず考えなければならないのは、
個人事業でするか会社組織にするか
という点です。最近では会社設立が容易になったこともあり、「起業=会社設立」というイメージが強いですが、必ずしも会社設立がベストとは限りません。
個人事業と会社設立、それぞれの主なメリット、デメリットをあげると以下のとおりです。
【個人事業のメリット】
- 何と言っても手軽に始められるということでしょう。いつでもどこでも開業は自由ですし、事業内容の変更も廃業も自由にできます。また面倒な登記手続きも不要ですから特別な費用もかかりません。
- 経理処理が簡単で、申告書(決算書類)も比較的容易に作成できます。
(ただし、青色申告で節税の恩恵を最大に受けようとすると、経理処理は多少複雑になります。) - 事業の儲けはすべて事業主のものとなります。
- 事業資金が不足したときに個人の預貯金から融通することができるなど、資金面での柔軟性があります。
【個人事業のデメリット】
- 会社に比べて社会的信用が劣るため、融資や取引などで不利な扱いを受ける場合があります。
- 儲かるほど税率が高くなり、税負担が大きくなります。
- 事業の失敗により負債を抱えた場合は、個人財産から弁済しなければなりません(無限責任)。
【会社設立のメリット】
- 「会社」とつくことで社会的信用が高くなります。融資も個人事業に比べて受けやすくなります。
- 会社は税率が一定ですから、儲けが多くなるほど有利となります。また、会社と個人に所得を分散することができるのも税金面で有利です。
- 事業者や家族従事者に退職金を支給できる、法人契約の生命保険料の一部を経費にできるなど個人事業より経費として認められる範囲が広くなります。
- 赤字が出た場合は7 年間繰越すことができます。また、減価償却を任意にできるため、赤字を出したくない時など利益を「調整」することが可能です(個人は減価償却が強制ですので、減価償却をし忘れると後から経費にすることができません)。
- 会社が破綻しても、出資額の範囲でしか責任を問われません(有限責任)。
(ただし、中小企業の場合は社長の個人財産が担保にとられたり、社長の個人保証を要求されたりなど事実上は無限責任のようなものです)
【会社設立のデメリット】
- 会社を設立するための法律上の手続きが面倒で、これにかかる費用も最低20 数万円必要(株式会社の場合)となります。また、事業内容の変更や廃業などでも法律上の手続きが必要となり手間がかかります。
- 経理処理は正式なものが求められ、事務処理は複雑になります。決算書類はまだしも、申告書の作成は専門家に依頼しないと難しいかもしれません。
- 赤字でも最低約7 万円の税金を払わなければいけません(住民税均等割)。
これ以外にも個人事業と会社組織の違いはまだまだありますが、まず最初は簡単な個人事業から始めて、経営が軌道に乗ってきてから税金面等を考慮して、会社組織にするというパターンが比較的多いのではないでしょうか。